※本展は2022年7月4日~2022年8月31日に開催した展示のリバイバルです。

※本展は2022年7月4日~2022年8月31日に開催した展示のリバイバルです。

Gaku.M

Profile

グラフィックデザイナー兼イラストレーター。3DCGによるリアル系の表現を用い著名人の似顔絵なども作成する。作中の人物の表情や仕草に拘りをもつ。ジャンルとしては、CDジャケットや電子書籍の表紙、Tシャツデザイン、ウェルカムボード、WEBサイトのトップページ、壁面デザインなど。今回、表現技術的にも政治知識的にも拙い部分があることを自覚しつつ、前回のグループ展に感化され出展を試みる。

Title

1984

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ジョージ・オーウェル執筆の『1984年』という小説がある。内容は全体主義化した世界で個人が辿る末路について書かれている。現代への警鐘としてこの小説をイラスト化した。身分制度があり上層は不気味にほくそ笑み、下層に進むに連れ人々が苦悶の表情を浮かべる様を描いた。

現実ではウクライナ侵攻が始まり、全体主義による弊害が露わになってきている。ロシアの蛮行は目に余るものがある。小説内には人々が国家による嘘の情報を妄信していたり、粛清を恐れ言論を封殺されている描写がある。これらは現在のロシア国民にも当てはまると思う。

逆にウクライナでは18歳~60歳までの成年男性に対し総動員令が敷かれている。大統領は英雄視されているが、これを肯定して良いものなのか苦慮してしまう。徴兵逃れを行う人々も相当数いて、彼等へ向け非国民だと罵る動きもあるようだ。武器を持ち国を守ろうとする国民を美談としてだけ語る報道には疑問が残る。

Title

War Propaganda
~戦争プロパガンダ~

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古今東西、戦争に至る過程で為政者は国民の戦意高揚の為に嘘を含むプロパガンダを巧みに活用してきた。今、ロシア国内では嘘の情報を織り交ぜたプロパガンダが横行しているという。プーチン大統領の異様な支持率の高さはこういったプロパガンダによるところが大きいと考えられる。

今回、戦争プロパガンダによる国威発揚を、悪魔の囁きとして表現できないかと考えイラスト化した。右下で民衆に溶け込んでいるのが悪魔である。民衆は怒りや憎しみに駆られた表情を浮かべている。ポスター化するにあたり、ナチス・ドイツ宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッペルスの言葉を引用した。『嘘も百回言えば真実となる』

現代では、一見するとリアルに見えるフェイク映像の作成や、著名人の音声を改変し任意のものとする技術など、フェイク情報を作る技術は格段に進化を遂げているという。嘘が真実としてまかり通る現代において、我が身を守る方法は果たしてあるのだろうか。

Title

Flower Power

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60年代半ば、米国でベトナム戦争に反対するフラワー・ムーブメントが活発化した。その象徴的な出来事、銃を構えた警備兵の銃口に花を差す若者達を収めた写真が『フラワー・パワー』である。これをいつかイラストに取り入れたいと考えていた。

現在、ウクライナ侵攻により国内に推定270万人いるとされる障害者の大半が安否不明という記事を読み、そこに思いを馳せ障害者による『フラワー・パワー』を描いた。戦中、日本でも障害を持った方達を『米食い虫』と呼び差別の対象とした歴史がある。障害を持った方達は差別を恐れ、本心とは裏腹に戦争賛美を行ったという悲しい事実もあったようだ。

イラスト内に、日本障害者協議会代表の藤井克徳さんの詩の一部を掲載させていただいた。戦争下では障害者の存在が軽視されやすいという考えを綴った詩となっている。ウクライナの障害者の状況を憂慮して作成されたものだ。ご興味のある方は、是非ご一読を。

Title

STOP THE WAR ON CHILDREN
~子供たちへの戦争を止めよう~

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ウクライナでは、産科や小児科病院なども攻撃の対象とされ、多くの子供たちの命が犠牲となっているという。そして孤児として生きていかなければならない子供たちを大量に生んでいるとのことだ。イギリスの社会改革家エグランティン・ジェップの言葉に『すべての戦争は子どもに対する戦争です』というものがある。彼女は戦争によって被害を被る子供たちを救済すべく、1919年にセーブ・ザ・チルドレン基金を立ち上げた。

今回は、子供たちが被害にあっているという現実を強調したイラストとした。ウクライナ・カラーのTシャツを着た少女が戦火の中、はぐれてしまった母親を探して歩き彷徨う様子となっている。熊の縫いぐるみを右手に握りしめた様子は、彼女の不安さや恐れをあらわしている。

Title

Hand In Hand
~手を携えて~

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『STOP THE WAR ON CHILDREN』で描いた少女の成長した姿である。手を引いているのは日本の少女だ。ウクライナ侵攻が進む中、日本にもウクライナから助けを求め亡命してくる人々がいるとのことだ。そういった方達を温かく迎え入れたいという思いから、このイラストを作成した。間違っても差別や偏見で彼等を社会から追いやるようなことがあってはならない。

背景は、ミレーの絵画『オフィーリア』を模写した。オフィーリアはシェイクスピアの戯曲『ハムレット』の登場人物であり、川に身を投げ悲劇的な最後を迎える。この絵を模した理由として悲劇からの救済を描きたかった。戦火を逃れ成長したウクライナの少女と日本の少女が手を携えており、その真ん中を友愛のシンボルである白い鳩が飛んでいく。シリーズ5部作の最後としてマザー・テレサの『平和は微笑みから始まります。』という言葉を借りて締めくくりたい。

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